ろくろ細工
2011-10-07


”パイプの(製造)歴史”を読んでいると
”ろくろ(轆轤)工あるいろくろ職人”という語がよく出てきます。
”ろくろを使った作業風景”を描いた絵や写真も見かけます。
パイプの工場生産には不可欠の機械で、職人には熟達した技能が求められる訳ですが

日本の伝統的な木工細工の世界ではどうだったんだろうか−

ある本に、【轆轤細工】と題して本職の方が書かれた興味深い記事がありました。
以下に転載させて頂きます。
執筆は綾部之 氏(京木地師・京都木工芸(協)副理事長) で
伊東隆雄編 『木の文化と科学』(2008,海青社)の第4章:木の肌触ざわり−風合い−の中の一節(pp82-84)です。
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ところで、私の場合
新たにパイプを入手した時、真っ先に気になるのはボウル表面の滑らかさ。
右手の指の腹でボウルをつかみ、左手でステムを1回転させる。
目視では平滑でも、指先の感触では【多面体】ということがしばしばです。

製作年の古いもの−特に1920〜1940年ごろのものに関心があり
そこら辺りのものを多く収集しています。持ち物検査を厳しくすると
≪私のパイプは殆んどがカクカクした多面体≫です。
コモイとサシエニは滑らかですが、ダンヒルとバーリングは問題あり。
前二者の本数は僅かですが秀逸。後二者について合格品ゼロ(笑)。
『カクカク感が時代を感じさせる』という悔し紛れの利点はあります。

時代が下って1950〜60年代くらいに入ると
全般的に、≪丸いパイプ≫(笑)が増えてきます。
轆轤と刃物の性能が良くなったんだろうと想像します。
ここまでは、表面の成形技術という一面に限っての話です。

パイプにしてもタバコにしても、あまりシビアーに観ると
≪煙草が不味くなる≫ので、普段は検査めいたことはしません。
名人の話を伺って、フト試したくなった次第。             

[パイプ雑記]

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